キミに出会うまで
飲み会自体は盛り上がったけど。


優樹と私は、微妙にギクシャクしてしまった。



「今日は遅いから、送るよ」


と言って一緒に帰ったけど、あまり会話もできなかった。


何か言うと、言い訳にしかならないような気がした。



でも、言わずにはいられなくて。



「優樹、傷つけてごめんね」


「仕方ないだろ、付き合う前のことなんか変えられないんだから」


「でも、優樹を悲しませたから」


「付き合ってるのに浮気したら許せないけど、そうじゃないだろ」


「うん、でも・・・」


「この話は終わり。


俺たちがもめたら、それこそアイツの狙い通りになるだろ」


「優樹は強いね」


「そんなことねーよ」


おやすみ、とおでこにキスして、優樹は帰って行った。



< 159 / 215 >

この作品をシェア

pagetop