キミに出会うまで
食べてくれるかわからないから、パスタの材料を買って優樹のマンションに着いた。


誰もいない暗い部屋に入る。


明かりをつけると、かなり散らかっていた。


ビールの空き缶ばかり転がってる。


ちゃんと食事してたのかな。


冷蔵庫を開けても、何も入ってない。


たまっている洗濯物を洗っている間に、散らかった部屋を片づける。


洗濯物を干し終わった頃、玄関が開いて優樹が帰ってきた。



「ただいま」


「おかえり」


「片づけてくれたんだ、ありがとう」


「うん、どういたしまして」



沈黙が部屋を包みこむ。



「優花」


「はい」



きた。


別れ話だ。


私、フラれるんだ。




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