キミに出会うまで
「俺、優花と離れて、すげーつらかった」


「えっ?」


「俺が男として情けないから、優花の過去も全部受けとめるまで時間がかかって、ごめん」


「悪いのは私だから」


「渡辺さんとのことは知ってたし、俺と会う前のことだから仕方ないってわかってたけど、やっぱあれだけ挑発されると変な想像ばっかりしてさ」


「想像?」


「その・・・渡辺さんと寝てる優花とかさ」


「つらい想像させちゃってごめんね」


「離れてみてわかった、俺には優花が必要だってこと」


「今まで通り、一緒にいてくれるの?」



優樹は私を抱きしめて、


「当たり前だろ」


優しいキスをしてくれた。



「良かった、フラれるのかと思ってた」


「そんなことしねーよ」


「優樹、大好き」


私からキスしたら、


「今日は帰さないから」


私の返事を待たずに、深いキスに変わってゆく。


とけるように絡みあって。


会えなかったさみしさを埋めてゆく。


「俺、激しくしちゃうかも」


「・・・いいよ」


何度も奥に到達して、お互いのすべてを受けとめて、ひとつに重なった。








< 165 / 215 >

この作品をシェア

pagetop