キミに出会うまで
そして、今日は優樹が本社最後の日。


私は、もらったピアスと指輪を身につけて、優樹が好きなワンピースを着て出社した。


「おはよ」


「おはよう」


デスクにいた私の頭をポンとたたいて、自分の席に向かう優樹。


優樹が、私がプレゼントしたネクタイをしてくれてるのが嬉しくて、思わずニヤニヤしてしまう。



すると、スマホがふるえて、


『顔がにやけてる』


『今日、昼メシ食べに行くぞ』


優樹からのメッセージを知らせてくれた。



給湯室でコーヒーをいれていたら、明日香先輩が、


「今日のゆうは、一段とかわいい」


って、からかってきた。


「優花先輩に、先越されちゃうかもなー」


ひとみちゃんも、ニヤニヤしてる。


「それはわからないけど」


「幸せオーラ出まくってて、説得力ゼロだよ」


「3人とも幸せで、良かったですよねー」



右手の薬指の指輪をさわってみる。


小さな石は、キラキラ輝いていて。


私をあったかくしてくれる。



本社での最後のランチは、知り合って間もない頃の夜に行った、韓国料理のお店に行った。


「ここも、なかなか来られなくなるな」


「横浜にも、おいしいランチあるでしょ」


「でも、優花がいないから」


「そんなこと言わないでよ」


「悪い、なんか感傷的になっちゃって」



午後からは、仕事してる優樹を目に焼きつけた。


空席を見ても、いつでも思い出せるように。
















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