キミに出会うまで
みんなでお昼を食べながら、お母さんのオシャベリは止まることがなくて。


「結婚式するんでしょう?」


「うーん、まだ考えてないけど」


「お母さん、なに着ようかしら」


「お兄ちゃんの時はなに着たんだっけ?」


「えーっと、たしか着物だったはず」


「そうだ、帯が苦しくて食べられないって困ってた」


「もう、そんなことバラさないでよ」


女同士のオシャベリを、男性ふたりは半分あきれながら聞いている。



結婚するって、家族が増えることなんだ。


今まで知らなかった、幸せのカタチ。






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