キミに出会うまで
お店に行くまで、何か話そうと思ったけど。


最近距離があったからか、ギクシャクしてしまって言葉が出てこない。


森さんも、何も話してくれないし。


地下鉄の駅までの数分が、すごく長く感じた。


少し距離があっただけで、こんなにも話せなくなっちゃうもんなんだな。




そっと見上げると、いつもと変わらないポーカーフェイス。


スーツやカバンを見ても、いつもと変わらない・・・と思ったら、ネクタイは見たことがないものだった。


高そうなネクタイ。


元カノにもらったものかも。


・・・って、私は何を想像してるんだか。


そんなの、私には何の関係もないし。


今日は、小籠包を満喫するんだから。






結局、お店に着くまで森さんは無言で。


はやく部長が来てくれないかと願うばかりだった。



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