キミに出会うまで
「まあ、こんな感じです」


自分では冷静なつもりだったけど、気づいたら涙ぐんでいた。


個室でよかった。



森さんは、そんな私をじっと見て、何も言わなかった。



「軽蔑しますよね、不倫なんて。



私も、自分だけはそんなことしないって、思ってました。



母にも言えなくて、つらかったけど、何よりも赤ちゃんに申し訳なくて・・・」




「軽蔑なんてしない」


「つらかったな、一人で抱えこんで」



隣に座っていた私の頭を、ポンポンと軽くなでてくれた。



あ、私は、こんな風に認めてもらいたかったんだ。



「すみません」


「だから、謝るなって。


優花の男性不信も、わかった気がする。


だけど、友達にも言われただろうけど、そんな男ばっかりじゃないからな」



「・・・はい」



たしかに、少しスッキリしている私がいた。





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