キミに出会うまで
大学の同級生で同じ理工学部だったけど、人数も多かったし、入学して1年は気づかなかったこと。


所属していた旅行サークルに、彼女が2年生になってから入部してきて、何度かみんなで旅行に行き、3年生の夏に告白されて、付き合い始めたこと。


お互い就職先も決まり、通勤が便利なのもあって、当時一人暮らししていたアパートで同棲するようになったこと。



彼女との結婚を考え始めて、マンションを購入したこと。


二人でマンションで暮らし始めたけど、彼女は仕事が忙しくて出張もするようになり、スレ違いがうまれたこと。


彼女は他の男に安らぎを求めたのか、浮気をして、それが俺にバレて大ゲンカして、マンションを出ていったこと。




「まあ、よくある話だよな。


俺が彼女をちゃんと見ていれば、こんなことにはならなかっただろうけど」


「そんなことないです、浮気はダメです。


・・・って、浮気相手だった私に言えることじゃないですけど」


「お互い、相手に恵まれなかったというか、自分が幼かったというか」



「だから私は、もう誰も好きにならないって、思ってたんですけど。


最近、これからのことを考えると、やっぱりさみしいっていうか、不安です」


「元カレみたいなヒドイ男と付き合わないようにな」


「森さんも、浮気されないように気をつけてください」


なんだか、お疲れさま会じゃなく、残念会みたいだったけど。


お互いの秘密を知ったことで、私たちは急速に仲良くなっていった。





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