キミに出会うまで
その日の夜、明日香先輩とひとみちゃんと飲みながら、森さんに誘われたことを相談した。


「行ってくればいいじゃん」


「そうですよ優花先輩、タダで行けるなんて絶対にもうないですよ」


「タダより高いものはないって言うじゃん」


「だって、ご両親もいい人たちなんでしょ?


私なら行くけどなー」


「優花先輩なら大丈夫ですよ、バレませんって」


「でも、付き合ってもいないただの同僚と旅行へ行くなんて、あり得なくない?」


「そうかなー、社員旅行だと思えばいいんじゃないの?」


「そうですよ、二人っきりってわけじゃないんですし。


あっ、アリバイは明日香先輩と私に任せてくださいね」



ダメだ、この二人は完全に私で楽しんでる。



「とにかく、行った方がいいよ。


森さんなら襲うこともないだろうし、平気だよ」


「優花先輩、おみやげ待ってますねー」



どうしよう。


飛行機のチケットのことを考えると、早く返事しないとな。


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