キミに出会うまで
そんなことを話しながら、ロープウェイに乗り。


函館山の山頂に着いたのは、ちょうど夕方で。


「ここの、夕方から夜に向かう時の夜景は、サイコーだから」


「うん、私も楽しみにしてた」


「写真もキレイだけど、生で見ると鳥肌もんだぞ」




だんだん暗くなっていき、空のオレンジの割合が減っていき。


海が空と同じくらいの、暗闇になってゆく。


まぶしいくらいの、街の灯り。


ただ『きれい』という言葉しかみつからない。



「・・・すごいね」


「すげーだろ」


「見たことないよ、こんなすごい景色」


「優花に、見せたかったんだ」


「ありがとう」




いつのまにか、左隣の優樹さんが、体温を感じるくらいそばにいて。


そのあたたかさが、心地よかった。



「俺さ」


「うん」


「優花が好きだ」


「へっ?」


「なんだよ、その返事」


「いや、だって・・・」



嬉しいけど、喜べない。


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