気になるパラドクス
可愛らしく揺れているハートを見つめて微笑む。
今までのプレゼントって、男の子っぽいゴツいシルバーアクセとか、超シンプルなチェーンネックレスとか、よく分からないポートレートだとか……。
あ。いや。黒埼さんとふたりでいるのに、昔の男のことなんかを思い出すのはよくないね。
「嬉しい。つけてもいい?」
「つけてあげようか?」
黒埼さんにニッコリされて、私も笑顔で固まった。
さ、さすがにそれは恥ずかしいかなぁ?
「よし。つけてあげよう」
手を出されて、無言でその手と黒埼さんを見比べる。
「は、恥ずかしいよ」
「恥ずかしいって言うより、美紅は照れるんだろ?」
そうだけど。
「いいからいいから。こういうのは付き合ってる特権だろ」
シャランと黒埼さんの手に、もらったネックレスを落とすと、とても嬉しそうに手を伸ばしてくる。
……そう言えば、かなり前に黒埼さんは“人目憚らずイチャつく”人だと自分で言っていたような気がした。
ドキドキしながらネックレスをつけてもらって、微かに触れる指先の熱に顔を赤らめる。
「うん。可愛い」
目を細めて笑うから、思わず視線を外してしまう。
船内アナウンスが流れ、船がゆっくりと動き出した。
動いていく夜景に溜め息をついて、鼓動が落ち着いてから黒埼さんを盗み見た。
きっと、いろいろと考えてくれた結果として、船上デートだったのかな?
それなら、言うのは文句じゃなくて……。
「ありがとう……」
どうにもふてぶてしい“ありがとう”になっちゃったけど、黒埼さんはゆったりと微笑んでくれた。
「いいよ。美紅の驚いた顔を見れたし」
爽やかな笑顔が一変、意地悪い笑顔になったけど、それはそれでいいか……。
そうしているうちに料理が運ばれてきて、お互いにお話しながら食べ始める。
今までのプレゼントって、男の子っぽいゴツいシルバーアクセとか、超シンプルなチェーンネックレスとか、よく分からないポートレートだとか……。
あ。いや。黒埼さんとふたりでいるのに、昔の男のことなんかを思い出すのはよくないね。
「嬉しい。つけてもいい?」
「つけてあげようか?」
黒埼さんにニッコリされて、私も笑顔で固まった。
さ、さすがにそれは恥ずかしいかなぁ?
「よし。つけてあげよう」
手を出されて、無言でその手と黒埼さんを見比べる。
「は、恥ずかしいよ」
「恥ずかしいって言うより、美紅は照れるんだろ?」
そうだけど。
「いいからいいから。こういうのは付き合ってる特権だろ」
シャランと黒埼さんの手に、もらったネックレスを落とすと、とても嬉しそうに手を伸ばしてくる。
……そう言えば、かなり前に黒埼さんは“人目憚らずイチャつく”人だと自分で言っていたような気がした。
ドキドキしながらネックレスをつけてもらって、微かに触れる指先の熱に顔を赤らめる。
「うん。可愛い」
目を細めて笑うから、思わず視線を外してしまう。
船内アナウンスが流れ、船がゆっくりと動き出した。
動いていく夜景に溜め息をついて、鼓動が落ち着いてから黒埼さんを盗み見た。
きっと、いろいろと考えてくれた結果として、船上デートだったのかな?
それなら、言うのは文句じゃなくて……。
「ありがとう……」
どうにもふてぶてしい“ありがとう”になっちゃったけど、黒埼さんはゆったりと微笑んでくれた。
「いいよ。美紅の驚いた顔を見れたし」
爽やかな笑顔が一変、意地悪い笑顔になったけど、それはそれでいいか……。
そうしているうちに料理が運ばれてきて、お互いにお話しながら食べ始める。