一目惚れの片想い

翌々日

｢ご心配おかけしました｣

｢すみませんでした！！！｣

鈴木さんが復帰した




イベントは、予定通り明日開催


しかし、ここでも問題


｢タレントが足りない！？｣

｢そうなんですよ……今日になって
女の子達が、怖くなったと言い出して……｣

｢困りましたね……｣


話し合っていると



｢こんにちは！｣



現れたのは、大畠社長の妻

女優の鈴音

結婚の時は、かなり騒がれた人


｢何人逃げたのかしら？｣


思いっきり、クビを突っ込んできた


｢４人です…｣


｢じゃあ、４人分の穴埋めがいるのね？｣

｢まぁ、そうですね｣

｢簡単じゃないの！Souちゃんひとりで
４人分埋まるわよ！｣

｢鈴音さん…　Souは、ちょっと…｣


吉岡さんが渋い顔をして、詰め寄る


｢あら？吉岡くん？いいじゃない
春陽の為なら、何でもやるわよ？
Souちゃんは！｣


鈴音さんは、鈴木さんの正体を世間に
バラす気だ……


鈴木さんがなぜモデルをやめたかは
わからないが

吉岡さんが完全に、鈴音さんを睨みつけ

不機嫌な表情になった


この前、鈴木さんを叱ったときよりも

ずっとずっと不機嫌だ



大畠社長が、エロ社長と鈴木さんを呼んだ


｢状況わかってる？
Souちゃんを出しなさい！｣


鈴音さんは、威圧的にエロ社長に言った


｢それが、目的でセットを倒したのか？｣

驚きの言葉を口にした



｢まぁ　いいだろう
Souをだしてやる｣



鈴木さんの顔色が悪い


｢勝手なことばっかり言うなよ！！
今さら、Souを引っ張り出すことねぇだろ
少なくても、主役の春陽がいればいいだろ？｣

｢春陽君もSouがいたら、心強いよね？｣


大畠社長は、ずるい


この言葉で、不安げに春陽君が

鈴木さんの手を握り、俯いた


｢鈴ちゃん…と、一緒がいい｣


鈴木さんは、春陽君を上に向かせ

にっこり笑って


｢Souになるよ
春陽の為なら、やるよ｣


春陽の為なら、何でもやると鈴音さんが
言った通り


鈴木さんは、Souになると言った



吉岡さんは、拳を握りしめ

怒りを押し殺していた