一目惚れの片想い
吉岡さんが医者の所へ

多分、鈴音さんから逃がす為に

ここから出したいんだ


「また、玲音くんに迷惑かけたのかな」

「鈴木さん、吉岡さんは、鈴木さんが大好きだから、凄く喜んでいるんだよ!」

「ありがとうございます
なんだか、怖くて…
えと、田中さんでしたよね!?」

「うん、田中草平」

「うわぁ!!いい名前ですね!!」

出会った頃のように、俺の名前を誉めてくれた

「ありがとう
でも、普通の名前だよ?」

「私は、素敵だと思います!!
田中さん!仲良くしましょうね!!」

「よろしくね!」





「おまたせ!!奏、明日の朝迎えに来るから!一緒に帰ろう!!!」

「玲音くん!!ありがとう!!嬉しい!!」

「良かったね!鈴木さん!」

「はい!
田中さんも、ありがとうございます!!
いつも一緒にいてくれて、安心します!」



翌日は、休日で



朝から、吉岡さんと病院へ

俺がついて行っていいのかな?

とか、思ったけど

「田中君がいると、奏が安心するから」

吉岡さんも不安なんだな

春陽君と鈴木さんが、どんな感じか



鈴木さんは、今朝もご飯を食べなかった


「なんか、食べたいものは?」

「ない」


退院すべく、外に出る


「玲音くん…運転できるの?」

「奏も運転してたよ?この車!」

「私、免許とったの!?5年の間に文化が進んだなぁ」

「なんだよ、文化って……」



吉岡さんの運転する車は、俺の家を通り過ぎて、すぐ近くのマンションの前に止まった

「さて、ここは、どこでしょう!?」

「え、あたしがひとり暮らししてるとこ?」

「当たり!!見覚えある?」

「だって、お家すぐそこだし、玲音くんが言ってたじゃない
すぐ近くのマンションって…」

「さすがですね!奏さん!よし!田中君も一緒にあがろうか」

「いいんですか?」

「車で待つ?」

「行きます!!!」





慣れた感じで、マンション内に入る

鈴木さんは、初めて来る感じで、キョロキョロ

俺もキョロキョロ

だってこのマンションすげぇよ


「どうぞ!」

「おじゃまします」「おじゃまします」

鈴木さんが自分の部屋に入るのに
おじゃましますを言ったので

俺も言った


鈴木さんの部屋は、凄く綺麗にしてあった

女の子だなぁってジロジロ見てしまう

「冷蔵庫の中とか、ヤバいかも
1ヶ月は、ほったらかしだから」


吉岡さんが冷蔵庫の中を片付ける

鈴木さんは、部屋を見て回る


「玲音くん?なんで、こんな広いのに一緒じゃないの?」


「奏がひとりで暮らしたいって、言い出したの!んで、セキュリティとか考えたら
ここがベストだったんだよ!」

「玲音くんと春陽の部屋も広いの?」

「ぷっ」

「何、笑ってるの?」

「ごめん…田中君が、大人しいから」

「わぁー、俺のことは、気にせずに!!」

「ごめんなさい!!私、質問ばっかで…
田中さん、お茶入れます!!」

バタバタと吉岡さんのいるキッチンへ

あっという間にお茶をいれてくれた

吉岡さんと3人で、テーブルを囲む


「記憶なくても、お茶入れられたな」

「本当だ!!鈴木さん!!お茶の場所とか
迷ってなかった!!」

「そういえば……体が自然に動いてました」

「こんな感じで、記憶が戻るといいな!」

「私、考えたの!
事故じゃないのに、頭を打ってないのに
記憶が無くなるなんて、よっぽど
忘れたいことだったんだと思うの!
だから、記憶…いらない」



それって、俺達との楽しかった思い出も

いらないってことだよ?








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