一目惚れの片想い
まだ、飛べる…
「奏が中学に入る頃
どうしても会いたくて、待ち伏せしたの
すぐにわかったわ
奏を見つけたときの事は、鮮明に覚えているわ
最初は、ぎこちなかったけど
毎月会うごとに、仲良くなれて
お母さんと呼んでくれるようになった
そうね……今、思えばあの文化祭からね
奏がモデルになって、私を嫌うようになったのは……」
鈴音さんが、シチューを作りながら言う
「奏が湊の事をしらないって言ったから
不思議でたまらなかった
てっきり、湊が育てていると思ったのに
妹夫婦に任せっきり、だから
私と暮らそうって、言ったの
そしたらね…… 奏が……
いらなくなったら、また捨てるの?
なんて聞いてきて……
私は、答えてあげられなかった
その日、うちに泊めたんだけど
朝、奏が見あたらなくて、探したら
浴槽に水を張って、その中にいたの
低体温症になってて、死ぬんじゃないかって… 怖かったわ
その、名刺入れ…
まだ綺麗なのに…いらないって、捨てたの
奏が拾ってたなんて、しらなかった」
鈴音さんは、母親だ
娘を愛する母親だ
「この名刺入れと自分を重ねたんでしょう
捨てられるかもって
だから、モデルになってこの名刺入れの
蝶みたいに、飛びたいって願望とかでてきたんでしょうね」
名刺入れを宝物だと、抱きしめていた
鈴木さんを思い出しながら、鈴音さんに言った
「おかぁさん…お腹すいたぁ」
「もうすぐ出来るからね!」
鈴木さんは、起きてる間ずっと動いている
ふらりとベランダに向かうことが多い
今、鈴音さんが料理している近くに座って
ずっと鈴音さんを見ている
「湊、奏をそっちに座らせてよ!
床に座ってたら、寒いわ!!」
男親というのは、どうしたものか
おろおろしている
「奏…!!あっち座ろう!!」
「や」
たったの一文字で、湊さんはノックアウト
鈴木さんは、湊さんを見ながら言った
「お父さん」
鈴木さんがちゃんと喋れている
「鈴木さん!!」
俺が鈴木さんを抱きしめると
鈴木さんも抱きついてきた
ちょうど、シチューが出来たとこだった
「湊…嫉妬したの
私の為にモデルになったと思ったのに湊のところに行っちゃって
私、奏を利用した
春陽君も……ごめんなさい
だけど、奏といてわかったの
名声とか、そんなことよりも
奏といれたら、それが何より幸せだって」
鈴木さんの頭を撫で、鈴音さんが言った
「奏を私の娘だって、公表します!」
「お母さん、私を養子にして
大畠 奏になりたい」
「養子だなんて…実の娘なのよ!」
「うん!
私達がわかっていたらいいんじゃない!?」
「奏!!」
湊さんは、泣きながら
「父親らしいことが何か…私には
わからないんだ……すまん奏…」
「春さんがね、お父さんの事許してねって
言ってた
お父さんと春さんの両親、いなかったんでしょ?だから、春さんも陽さんと結婚するとき、家族になることが凄く怖かったんだって!春陽が産まれて、私を引き取ってくれるまで、お父さんはお仕事しながら
私を育ててくれたんでしょ
体壊して、大変だったんでしょ
だから、お父さんの力になりたくて
お父さんに娘だって言って貰いたくて
お母さんみたいに、私を必要として欲しくて…湊さんがお父さんでよかったよ
私、お父さんもお母さんも大好きだよ!」
記憶……戻ったんだ!!
「シチュー食べよう!!」
鈴木さん…よかった
これで元通りなのかな
ニコニコしながら、美味しいっと
喜ぶ鈴木さん
「鈴木さん、もう…飛んで行かないでね」
「田中さん、まだ、飛べる…」
「完璧してよ」
どうしても会いたくて、待ち伏せしたの
すぐにわかったわ
奏を見つけたときの事は、鮮明に覚えているわ
最初は、ぎこちなかったけど
毎月会うごとに、仲良くなれて
お母さんと呼んでくれるようになった
そうね……今、思えばあの文化祭からね
奏がモデルになって、私を嫌うようになったのは……」
鈴音さんが、シチューを作りながら言う
「奏が湊の事をしらないって言ったから
不思議でたまらなかった
てっきり、湊が育てていると思ったのに
妹夫婦に任せっきり、だから
私と暮らそうって、言ったの
そしたらね…… 奏が……
いらなくなったら、また捨てるの?
なんて聞いてきて……
私は、答えてあげられなかった
その日、うちに泊めたんだけど
朝、奏が見あたらなくて、探したら
浴槽に水を張って、その中にいたの
低体温症になってて、死ぬんじゃないかって… 怖かったわ
その、名刺入れ…
まだ綺麗なのに…いらないって、捨てたの
奏が拾ってたなんて、しらなかった」
鈴音さんは、母親だ
娘を愛する母親だ
「この名刺入れと自分を重ねたんでしょう
捨てられるかもって
だから、モデルになってこの名刺入れの
蝶みたいに、飛びたいって願望とかでてきたんでしょうね」
名刺入れを宝物だと、抱きしめていた
鈴木さんを思い出しながら、鈴音さんに言った
「おかぁさん…お腹すいたぁ」
「もうすぐ出来るからね!」
鈴木さんは、起きてる間ずっと動いている
ふらりとベランダに向かうことが多い
今、鈴音さんが料理している近くに座って
ずっと鈴音さんを見ている
「湊、奏をそっちに座らせてよ!
床に座ってたら、寒いわ!!」
男親というのは、どうしたものか
おろおろしている
「奏…!!あっち座ろう!!」
「や」
たったの一文字で、湊さんはノックアウト
鈴木さんは、湊さんを見ながら言った
「お父さん」
鈴木さんがちゃんと喋れている
「鈴木さん!!」
俺が鈴木さんを抱きしめると
鈴木さんも抱きついてきた
ちょうど、シチューが出来たとこだった
「湊…嫉妬したの
私の為にモデルになったと思ったのに湊のところに行っちゃって
私、奏を利用した
春陽君も……ごめんなさい
だけど、奏といてわかったの
名声とか、そんなことよりも
奏といれたら、それが何より幸せだって」
鈴木さんの頭を撫で、鈴音さんが言った
「奏を私の娘だって、公表します!」
「お母さん、私を養子にして
大畠 奏になりたい」
「養子だなんて…実の娘なのよ!」
「うん!
私達がわかっていたらいいんじゃない!?」
「奏!!」
湊さんは、泣きながら
「父親らしいことが何か…私には
わからないんだ……すまん奏…」
「春さんがね、お父さんの事許してねって
言ってた
お父さんと春さんの両親、いなかったんでしょ?だから、春さんも陽さんと結婚するとき、家族になることが凄く怖かったんだって!春陽が産まれて、私を引き取ってくれるまで、お父さんはお仕事しながら
私を育ててくれたんでしょ
体壊して、大変だったんでしょ
だから、お父さんの力になりたくて
お父さんに娘だって言って貰いたくて
お母さんみたいに、私を必要として欲しくて…湊さんがお父さんでよかったよ
私、お父さんもお母さんも大好きだよ!」
記憶……戻ったんだ!!
「シチュー食べよう!!」
鈴木さん…よかった
これで元通りなのかな
ニコニコしながら、美味しいっと
喜ぶ鈴木さん
「鈴木さん、もう…飛んで行かないでね」
「田中さん、まだ、飛べる…」
「完璧してよ」