一目惚れの片想い
ひとまず休憩


「鈴木さん、社長を殴るのは良くないね」


吉岡さんがサラッとそう言うと

鈴木さんが口を尖らせて


「だって…社長が悪いもん」


子供みたいだ


ん?


ちょっと待て


「社長を殴ったんですか???」

「うわっ!田中!!突っ込むな!!」

「あわわわわ!!!!」


空気の読めない俺は、完璧に地雷を踏んだ


2人が聞き流すつもりだったのに


「納期に間に合わないから、これの担当を首にするって言ったらしいね?社長…
担当を、庇いたいのかもしれないけど
ここに彼女がいないって事は、投げ出したんでしょ?
鈴木さんが尻拭いする必要がわからないんだけど?」


吉岡さんは、冷たく言った


「投げ出したんじゃありません!!
戻って来るって言いました!
森永さんが、戻って来るまでお手伝いです」


はぁーとため息を漏らし


「…っとに、バカだろ?
戻って来る訳ねぇだろ!?
んで、社長殴ってお前もクビか?」


吉岡さんの口調が、明らかに不機嫌モード


ビクビクしながら、2人を見ていたら


「森永さん……戻って来るって言ったもん!
戻って来るまで、手伝ってよ…」


鈴木さんは、本気で信じているんだ


「俺、手伝いますよ!」

「俺も!!」

「やりましょう!!」



俺達が作業に戻ると


吉岡さんが



「やればいいんでしょ」


「ありがとう!!吉岡さん!!
因みに、殴ったことは、先ほど和解したので、心配ありません」

「あっそ
和解って、何したの?」


そこ、きくかーー?????



「ハグさせてあげました」


答えるかーー?????



ん?させてあげました?



「そりゃ、喜んだだろうな」

「3方に目撃されまして、さらに喜んでましたよ」

「はははっ 想像できる」


同意したとか、今の会話からして


愛人ぽくない


「そのうちキスをせがまれそうだな」

「おえーーやめて下さいよ!!」



うん!愛人ぽくない!


< 8 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop