禁断の部屋
呼吸だって浅いし、目の前にあるドアが遠く感じる。
ああ、どうしましょう。わたしは今、本当に立っているのかしら、もしかすると座っているのかもしれない。
だめよ、エレオノーラ。きちんと意識を保ちましょう。間違いなくわたしは小さな部屋の前にいるし、立っているわ。
その証拠に、目の前にはきちんとドアがあるじゃない。
自分を奮い立たせ、ドアを開けるためにドアノブを回せば、乾いた音が屋敷中に響いた気がした。
恐る恐る、震える足で部屋の中に入った瞬間――。
わたしは自分の目を疑った。
目の前に広がる光景を信じることができなかった。
だってそこには――わたしが想像していた世界とはまるで違う景色が広がっていたんだもの……。
ああ、どうしましょう。