ナニカ 〜生んで、逃げて、殺される物語〜



◇◇◇


2日後ーー。

心配していたことが、ついに起きてしまった。


放課後になり、帰ろうとしていた敬太のもとに現れたのは、180㎝超えの長身のバレー部の先輩が3人。



「柏木敬太、お前、来るなら来いって言ったんだってな。

後輩思いの優しい俺が、来てやったぞ。
遊んでやるから、ありがたく思え」



そう言ってヘラヘラと嫌な笑い方で敬太に絡んでいる人が、たぶん梨沙が言ってたオカルト嫌いの飯塚先輩。


目も口も純和風の薄味な顔の中で、大きなワシ鼻だけが異質な存在感を放っていた。


他の2人のバレー部の先輩は、飯塚先輩の後ろに立っている。


飯塚先輩の発言に時々頷く以外は何も言わず、まるで付き人みたい。


この3人の中で飯塚先輩がリーダー格なのは、見ただけでわかった。


声を掛けられたのは、教室を出てすぐの廊下だった。

私も含めて教室に残っていたクラスメイト達はすぐに異変に気付き、真斗がいち早く敬太の隣に駆けつけた。


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