十八歳の花嫁
第9話 キス
第9話 キス
その音は、個室の中で必死に耐える藤臣を地獄に引き摺り込む誘惑だった。
ただでさえ、下半身は熱く高ぶっている。
火に油を注がれ、まさに思考が停止しそうだ。
できる限り、下を向くまいと固く目を閉じた。
――背中から襲いかかるような荒い息。
朋美は遠慮もなく『もっとぉ、奥まで突いてぇ』など、廊下まで聞こえそうな声を上げている。
どんな体勢で絡んでいるのか見ることはできないが……。
何かがガタガタと揺れ、家具の軋む音が一定のリズムを刻み始める。
その状況に男の妄想はマックスまで掻き立てられた。
どれほどきつく目を瞑っても、鮮明に思い浮かぶのは愛実の白い肌だ。
ラブホテルで嗅いだ、清潔なペパーミントの香りまでもが甦る。あの漆黒の髪に口づけ、愛実の中に屹立したモノを埋めて突き上げられたら……。
想像するだけで微妙に腰が動き始め、彼は慌てて意識を散らした。
そのときだ。
なるべく離れようとする藤臣とは逆に、愛実はさらに距離を縮めてきたのである。
「藤臣さん……」
小さな声で彼の名を呼び、ギュッとスーツの襟を掴みもたれかかってきた。
「藤臣さん……好きです」
その音は、個室の中で必死に耐える藤臣を地獄に引き摺り込む誘惑だった。
ただでさえ、下半身は熱く高ぶっている。
火に油を注がれ、まさに思考が停止しそうだ。
できる限り、下を向くまいと固く目を閉じた。
――背中から襲いかかるような荒い息。
朋美は遠慮もなく『もっとぉ、奥まで突いてぇ』など、廊下まで聞こえそうな声を上げている。
どんな体勢で絡んでいるのか見ることはできないが……。
何かがガタガタと揺れ、家具の軋む音が一定のリズムを刻み始める。
その状況に男の妄想はマックスまで掻き立てられた。
どれほどきつく目を瞑っても、鮮明に思い浮かぶのは愛実の白い肌だ。
ラブホテルで嗅いだ、清潔なペパーミントの香りまでもが甦る。あの漆黒の髪に口づけ、愛実の中に屹立したモノを埋めて突き上げられたら……。
想像するだけで微妙に腰が動き始め、彼は慌てて意識を散らした。
そのときだ。
なるべく離れようとする藤臣とは逆に、愛実はさらに距離を縮めてきたのである。
「藤臣さん……」
小さな声で彼の名を呼び、ギュッとスーツの襟を掴みもたれかかってきた。
「藤臣さん……好きです」