十八歳の花嫁

闇に沈みかけた心に、光の束が降り注ぐ。

やはり愛実を傷つけることなどできない。
偽りだとしても、彼女の期待に応えられたら……。
愛という言葉に保証書は不要だろう。

藤臣はそっと愛実の背中に手を回した。


「今日だって、可愛いって言われるだけでした。でも、わたしだって……何年か経ったら、藤臣さんが付き合ってるような大人の女性になれると思います。だから、そのとき……もし、子供ができていたら……」


愛実の言葉を終わりまで聞く前に、藤臣は一気に唇を奪った。

強く抱きしめ、唇を押し付けて……ついには身体の芯に火が点いた。小さな炎はしだいに燃え盛り、彼の控え目な理性を燃やし尽くしてしまう。

愛実の頬や瞼にも唇を這わせ、涙の跡を拭っていく。
そして再び唇を探り当てると……今度は舌を押し込んだ。最初のときと同じように、愛実の身体は硬直する。
すると、彼女の緊張がほぐれるように優しく背中を撫で、ソフトなキスに戻したのだった。

ふと気づけば、愛実を膝の上に横抱きにし、今にもソファに押し倒しそうだ。

藤臣の身体は熱くなり、そのエネルギーはすでに下半身に集まりつつあった。


「子供を連れて出るのは許さない」


キスの途中でそう呟いた。
すると、愛実は怯えたようなまなざしを藤臣に向ける。


「そのときは別れない。愛実……私たちは夫婦になるんだ。子供が産まれたら、別れる理由はなくなる。そうは思わないか?」


藤臣は愛実の返事を待たず、さらに唇を重ねた。
激しいキスをされて、そして自分の太腿に当たる物体に気づき、彼女は真っ赤になった。

藤臣の腕を掴む指先にも緊張が加わる。


「どうした?」


唇を離し、藤臣はわざとらしく尋ねてみる。愛実は彼の胸に顔を埋めて、


「あの……当たってます」

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