十八歳の花嫁
第3話 静夜
第3話 静夜
他人の思惑に乗せられるのはご免だ。
そんな根拠のないプライドなど、愛実のキスは見事に粉砕してくれた。
柔らかな唇が欲しくて堪らなくなり、藤臣はそのまま愛実の腰を抱き締めた。
だが愛実のほうは、そっと重ねるだけのつもりだったのだろう。
唇を激しく吸い上げられ、ふいに慌て始める。
「ふ、藤臣さん……あの」
「黙るんだ」
藤臣はそれ以上の隙間を与えなかった。
一気に愛実を抱き上げ、階段を上がり彼女の部屋に向かう。
愛実の部屋はリサーチ済みだ。弟妹の部屋からは少し離れ、真下は母親の部屋だった。
ノブを回した後、ドアを背中で押し開ける。常夜灯の下、室内には年代物の学習机やシングルベッドがぼんやりと浮かび上がった。
それは、小学生のころから変わっていないのではないか、と藤臣に思わせた。
そのまま、勢いに任せて愛実をベッドに押し倒す。
(愛実が悪いんだ。無意識で誘惑する彼女が……。ただでさえ我慢してるのに、キスなんかされたら)
次の瞬間、ベッドの頭もとに置かれた写真立てが目に入った。
祖母や父親も一緒の家族写真と、どこから手に入れたのか藤臣がひとりで写っている写真が並べてある。
トクン、と藤臣の心臓が高鳴る。
愛実は特に嫌がる様子ではないが、きつく目を閉じ、指先が微かに震えていた。
その様子を目にして、下半身の猛りに冷水を浴びせられた気分になり、藤臣はベッドサイドに座り込んだ。
他人の思惑に乗せられるのはご免だ。
そんな根拠のないプライドなど、愛実のキスは見事に粉砕してくれた。
柔らかな唇が欲しくて堪らなくなり、藤臣はそのまま愛実の腰を抱き締めた。
だが愛実のほうは、そっと重ねるだけのつもりだったのだろう。
唇を激しく吸い上げられ、ふいに慌て始める。
「ふ、藤臣さん……あの」
「黙るんだ」
藤臣はそれ以上の隙間を与えなかった。
一気に愛実を抱き上げ、階段を上がり彼女の部屋に向かう。
愛実の部屋はリサーチ済みだ。弟妹の部屋からは少し離れ、真下は母親の部屋だった。
ノブを回した後、ドアを背中で押し開ける。常夜灯の下、室内には年代物の学習机やシングルベッドがぼんやりと浮かび上がった。
それは、小学生のころから変わっていないのではないか、と藤臣に思わせた。
そのまま、勢いに任せて愛実をベッドに押し倒す。
(愛実が悪いんだ。無意識で誘惑する彼女が……。ただでさえ我慢してるのに、キスなんかされたら)
次の瞬間、ベッドの頭もとに置かれた写真立てが目に入った。
祖母や父親も一緒の家族写真と、どこから手に入れたのか藤臣がひとりで写っている写真が並べてある。
トクン、と藤臣の心臓が高鳴る。
愛実は特に嫌がる様子ではないが、きつく目を閉じ、指先が微かに震えていた。
その様子を目にして、下半身の猛りに冷水を浴びせられた気分になり、藤臣はベッドサイドに座り込んだ。