十八歳の花嫁
第12話 暴力
第12話 暴力
(どうして信一郎さんが? ここはどこ? どうして動けないの?)
聞きたいことは山のようにある。
それなのに、愛実は思うように声も出ないのだ。
「……ぅ、うぅ……」
喉の奥から必死で空気を押し出しても、小さな唸り声にしかならない。
部屋に流れているのは流行の音楽だと思う。
友だちと遊ぶ時間も、お金もない愛実には曲名もわからないが、楽しげなその音楽が今は耳障りでならなかった。
これでは、どんな大声で叫んでも掻き消されてしまうだろう。
唯一自由になる目で、愛実は可能な範囲を見回した。
そしてわかったのだ。ここはラブホテルか、それに類する場所に違いない、と。
藤臣と一緒に一度だけ入った場所。そこは独特の空気が漂い、性的欲情を煽る生々しい気配に満ちていたことを覚えている。
あのときと同じ匂いを感じ、愛実は身震いする。
そのとき、信一郎の手が愛実に伸びた。
羽織っていた薄手のジャケットはすでに脱がされ、白いブラウスと淡いブラウンのロングスカート、白いソックス姿の彼女が天井の鏡に映っている。
ブラウスの前で結ばれたリボンが、信一郎の手によってスルスルと解かれた。
愛実は懸命に首を振り、抗議の声を上げようとする。
「暴れると怪我するよ。おとなしくしてたら、すぐに気持ちよくなる。タップリ子種を流しこんで、すぐに孕ませてやるからね。いい子にしてなよ、愛実ちゃん」
信一郎は理解しがたい台詞を口にしつつ、目を血走らせ、涎を垂らさんばかりに愛実に跨った。
最初は行儀よくボタンを外そうと試みるが、しだいに苛つき始める。
ついには両手でブラウスの胸元を掴み、左右に引き裂いた。
布が破け、糸の切れる音がして、横を向いた愛実の目に弾け飛んだボタンが映り……。
(どうして信一郎さんが? ここはどこ? どうして動けないの?)
聞きたいことは山のようにある。
それなのに、愛実は思うように声も出ないのだ。
「……ぅ、うぅ……」
喉の奥から必死で空気を押し出しても、小さな唸り声にしかならない。
部屋に流れているのは流行の音楽だと思う。
友だちと遊ぶ時間も、お金もない愛実には曲名もわからないが、楽しげなその音楽が今は耳障りでならなかった。
これでは、どんな大声で叫んでも掻き消されてしまうだろう。
唯一自由になる目で、愛実は可能な範囲を見回した。
そしてわかったのだ。ここはラブホテルか、それに類する場所に違いない、と。
藤臣と一緒に一度だけ入った場所。そこは独特の空気が漂い、性的欲情を煽る生々しい気配に満ちていたことを覚えている。
あのときと同じ匂いを感じ、愛実は身震いする。
そのとき、信一郎の手が愛実に伸びた。
羽織っていた薄手のジャケットはすでに脱がされ、白いブラウスと淡いブラウンのロングスカート、白いソックス姿の彼女が天井の鏡に映っている。
ブラウスの前で結ばれたリボンが、信一郎の手によってスルスルと解かれた。
愛実は懸命に首を振り、抗議の声を上げようとする。
「暴れると怪我するよ。おとなしくしてたら、すぐに気持ちよくなる。タップリ子種を流しこんで、すぐに孕ませてやるからね。いい子にしてなよ、愛実ちゃん」
信一郎は理解しがたい台詞を口にしつつ、目を血走らせ、涎を垂らさんばかりに愛実に跨った。
最初は行儀よくボタンを外そうと試みるが、しだいに苛つき始める。
ついには両手でブラウスの胸元を掴み、左右に引き裂いた。
布が破け、糸の切れる音がして、横を向いた愛実の目に弾け飛んだボタンが映り……。