十八歳の花嫁

「……うぅ、ぁ……ゃ、や、めて……」


掠れた悲鳴は音の洪水に飲み込まれ、彼女自身の耳にすら聞こえなかった。

キャミソールの上から信一郎は愛実の胸を揉みしだいた。

それは徐々に力を増し、愛実は痛さに顔を顰める。


「へえ、さすが現役の女子高生だ。肌触りや弾力が違う。こいつは楽しめそうだ」


信一郎は舌なめずりしつつ、薄いキャミソールを力いっぱい引き裂いた。


「い、や……や、めて」


愛実の口から、ようやく声らしきものがこぼれる。

それは信一郎の耳にも届いたらしい。
彼女の顎を掴むと上を向かせた。


「どうせ誰かに犯(や)られるんだ。落ちぶれ果てた伯爵家の肩書きなんざ、なんの役にも立ちゃしない。そんなおまえを、正当な後継者の妻にしてやると言ってるんだ。感謝してくれよ。言うとおりにしてりゃ、母親に渡した金ぐらいくれてやるよ」


信一郎はそう言うと、ニヤニヤ笑いつつ愛実から離れた。

ベッドのすぐ横に三脚が立ててあり、その上にはビデオカメラがセットされている。


「待ってろよ。俺から離れられないように、ちゃんと記念撮影してやるからな。おまえ、藤臣には抱かれてないよな? 奴のお古なんて、それだけは勘弁してくれよ」


愛実は冷たいレンズがこちらを向いていることを知り、背筋がゾッとした。

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