十八歳の花嫁
頭も背中も痛くて、愛実は泣きながら叫んでいた。
「やめて……お願い。もう、やめてっ!」
「うるさい! この俺に逆らいやがって……ただで済むと思うな! このクソガキがっ」
愛実は床の上に仰向けに転がされた。信一郎は馬乗りになると、彼女の顔を数回平手で叩いた。
唇が切れて、口の中に血の匂いが広がる。
人に殴られたのは初めてで、愛実は目がくらくらした。
抵抗する気力が急速に萎(しぼ)んで行く。
「ホラ、どうした? 俺から逃げられると思ってんのか? 殴られたくなきゃ言うとおりにしろ! 今度逆らったら骨をへし折るぞ。わかったな!」
すでにボロ布のようになったブラウスとキャミソールを、強引に愛実の腕から剥ぎ取った。
上半身が真っ白のブラジャー一枚になる。
直後、信一郎は真ん中のリボンが付いた辺りを鷲づかみにし、ブラジャーを力任せに引き剥がそうとした。
「痛い、痛いからやめて……引っ張らないで!」
背中のホックが曲がり、壊れたことに気が付いた。
壊れたホックが肌を傷つけ、背中や脇がひりひりして痛い。
とうとう上半身を裸にされてしまった。
わずかに硬さの残る乳房は、桜色に息づいた先端を際立たせている。
信一郎の手がスカートのファスナーを下ろし始め……。
痛みと悔しさ、そして怒り、今の愛実には泣くことしかできない。
警察に訴えてやる。
絶対に泣き寝入りはしない。
どれだけ貧しくても、この男の妻にだけはならない!
そう、決意したときだった。