面影を重ねて ~ふたりの運命の人~



「今日はどっちの日だっけ?」


『えっと、明の家じゃない?』


私達の家族は週に二回お互いの家で一緒にご飯を食べる

まだ私が保育園のときに親同士が決めた約束らしい…


そんなこともあったから、明とは兄弟みたいに育ってきた。


付き合ったことを話すと、その日のご飯を急遽赤飯に作り替えて大喜びしてたっけ



「1人でニヤニヤしてると変な人だよ」


思い出しながら笑っていると痛い指摘が…



『うっさい!そんな変な人と付き合ってるくせに!』


「え?付き合ってる?誰と誰が?」


『…もう、先に帰るから!』


繋いでる手を振りほどいて早足で歩きだすけど、


「ふーん?いいんだ?せっかく一緒に帰ってあげてるのに。」



振り返れば口角を少し上げて笑ってる。


___なんでこんなに憎たらしいんだよ…




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