一生の意気地無し。

嫌いで、嫌いで。



全て、全て。俺じゃ変えれなかった、お前を。俺の方が好きなのに。お前はお前に冷たくてお前に全く興味のない奴を好きになった。



お前がアイツを好きになってから2年も経った。辛くて、苦しくて。いっそのこと嫌いになろうと考えたけど嫌いになんかなれなくて。女々しい自分が嫌になった。



お前のことをよく知っているのは俺。だって、10年以上の付き合いだろ?だから、お前に何が似合うかだって分かる。
アイツの為に長くした髪。前までは、短くて似合ってたのに。否、今も似合ってるけどさ。



「ねぇ!」



「なんだよ。」


いつものように、教室のベランダで野球部を見ていた。自分のもう野球には使えなくなった足を見て少し羨ましくなる。お前は、少し悲しそうに笑った。



「今日も、駄菓子屋によろうよ。パピオ食べよう。」



そう言って、俺の腕を引っ張り鞄を取った。お前は昔から鞄は好きなキャラクターのストラップをジャラジャラつけてたよな。



「いてぇな…お前本当に、女かよ。」


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