一生の意気地無し。
なんて、ふざけて言ってみる。お前は、いつも通り俺を睨んで見てくる。だけど、フワリと香る香水が邪魔をする。前までは、柔軟剤だけだったのに。
「今日は私がパピオ、奢ってあげる。」
なんて、ご機嫌な声が聞こえて少し不安になった。ふざけとかじゃなくて、本当に嫌なことが起きるんじゃないか、って。
.。.:*♡
「はい。」
そう、渡されたパピオ。10月中旬の今は、パピオの冷たさは少しキツい。俺はパピオの先っちょを取り、そこにある少しだけのパピオを食べた。
「さんきゅ。」
食べてから言うのは、俺たちにとっては普通でそれが、“当たり前”。コイツも俺と同じように先っちょを食べていてこれも当たり前だった。
ボーっと、パピオを食べる。そう言えば、コイツとパピオを食べるのは久々かもしれない。それに気づいて俺はパピオを一旦口から離し、口を開いた。
「なぁ、「私、彼と付き合えたよ。」」