双子の御曹司
お見合い相手は…
水曜日、10時45分クレラントホテルのロビーに到着すると、瞳さんが待っていた。
「はるかちゃーん!」と瞳さんが手を振って駆け寄って来た。
瞳さんは伊月のおじさんの奥さんで、伊月のおじさんとは17歳離れていて、まだ若く綺麗な人と言うより可愛い人だ。
「瞳さんお久しぶりです。今日はお世話になります。」と、私は、頭をさげる。
「本当久しぶりね?って言っても私は豊さんからいつも遥ちゃんの話は聞いてたけどね?」
「私の話ですか?」
「豊かさん、遥ちゃんの事可愛くてしょうがないみたい。K店の男性社員が遥ちゃんを『俺の好み!』って言ってるのを聞いて『変な虫が付かないように俺が抱いた女だって言い回って来た!』って笑ってたわ!」と瞳さんは笑って話してくれる。
「もぅ…笑い事じゃないですよ? 本気にしてる人結構いるんですから!」
「あら?本当の事じゃない?」
「もう瞳さんまで…。」
瞳さんを睨んで見たところで、気にしていないようだ。本当似た物夫婦だ。
「今日、伊月のおじさんも一緒だと聞いてたんですけど?」
「後から来るわ。豊かさんたら、俺が品定めするって言ってたわ。ウフフ遥ちゃんが心配でしょうがないのよ? さぁ支度しましょう?」