双子の御曹司

今日は早朝会議だった為、11時にお昼休憩を取る事にした。
時間も早かったため、食堂は比較的空いていた。
私は、窓際の席に座って、外に目を向けると、雨は朝よりひどくなっている様だった。

「凄い雨だね? やばいんじゃない? 電車止まるかもね?」
凪沙も早めに休憩に入ったようで、私の前に座る。

「今日の売り上げ絶望的だな…」
私は肩を落とす。

おもちゃは、食品と違って必要不可欠ではない。
勿論、子供からしたら、大切な物だ。
でも、こんな天気に、わざわざ子供一人でおもちゃを買いに来ることはない。
したがって、天気の悪い時は、ガックンと売り上げが下がる。

「こんな日もあるよ?」

「そうだね…」

「そ、れ、よ、り」と、凪沙は広角を上げる。

「なに?」

「お見合いよ? お、み、あ、い!」

こういった、人の話は面白いらしく、凪沙は朝からずっと、ウズウズしていたのだろう。

「それ?…」

私はAランチのオムライスを、スプーンで突っく。

「どんな人?」

「稔君のおじさん。」

「えっーうっそー?」

仕方なく、凪沙にお見合いに至った事を話した。

「一目惚れ? オンゾウシー!?」

凪紗が大きな声を出すから、私は、慌てて凪沙の口を塞いで睨む。

「もぅ凪沙声デカイ!!」

「ごめんごめん。」と言いながら、反省している様には見えない。

「イケメンの御曹子って、遥シンデレラじゃん!決めちゃいな?」

「簡単に言わないでよ…」

「なんで? いい話じゃない?」

「…………」

身分が違いすぎるよ…





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