双子の御曹司

どうしようと困っていると、その時、私のスマホが着信を知らせる。

鞄からスマホを出し画面を見ると西園寺さんだった。

「もしもし…西園寺さん?」

『ひょっとして、遥さんまだ外ですか? 電車止まってますよね?』

「はい。 途中まで帰って来たんですけど…電車が止まっていて…」

『今、どこですか?』

「え? 名古屋駅ですけど?…」

『迎えに行きます。 待ってて下さい!』

「いえ大丈夫です。 ホテルを探しますので?」

『それならなおさら、迎えに行きます。』と言って電話は切れた。

どうしょう?…

迎えに来るって言ってたから、待ってないといけないよね?……

激しい雨の中、西園寺さんは10分ほどで迎えに来てくれた。

西園寺さんは、車から降り助手席の扉を開けてくれる。

「どうぞ?」

「あっ有難うございます…」

西園寺さんは私が乗り込むと、扉を閉め運転席に乗り込んだ。

「わざわざすいません…」

「いえ、電車が止まってると聞いて、遥さんの事が気になったものですから?」

車は走りだしたが、どこへ向かっているのか?

「あの…」

「あっすいません。 行き先も伝えずに走り出したら、不安ですよね? 遥さんの家に向かう途中の道が、水没しているらしく、今は通行止めになっているらしいです。 ですから、うちのホテルに向かってます。」

あーいつもの所…だろう?

地盤が低いのと、下水の流れが悪いのか、ちょっと雨が強く振ると、いつも通行止めになる。

本当に何とかして欲しいものだ!
こっちはちゃんと、税金払ってるのだから!?





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