双子の御曹司
眼が覚め、サイドテーブルの時計は、5:00 と表していた。
「5時か…」
一度家に帰って着替えてから出勤しょう。
パウダールームでメイクし、支度をした。
リビングに出ると、昨日、開いていた西園寺さんの寝室だと思われる部屋は閉まっている。
「まだ寝てるよね?…」
西園寺さんの顔が見られなかった事にがっかりしてる自分に気付き苦笑する。
お礼を書いたメモを残し、部屋を出ようとドアノブに手をかけると突然ドアが開いた。
「キャッ!」
私は驚いて飛び退く、すると西園寺さんも驚いていた。
「あっ驚かせて申し訳ありません。」
彼の髪は、整髪料で後ろに流され、スーツを着て胸元には名札が付いている。
え?
もう仕事に入ってのる…?
食事を済ませて、私が隣の部屋に入ったのは日付が変わっていた。
あの後、まだ仕事をすると言っていたが、もしかして寝ていないのでは?
「おっおはようございます。 本当にお世話になりました。 お礼は後日…」
「後日では困ります!」
腕を捕まれ、部屋の中に連れ戻され、気が付けば向き合い見つめ合っていた。
私の心臓は、ドックンと跳ね上がり、雷に撃たれたかの様に体は全く動けない。
ゆっくり近付く西園寺さんの顔。
え?…キス?
固まって動けない私を見て、彼はクスっと笑う。
「あの…西園寺さん?…」
「お礼は朝食に付き合って下さい? 今、ルームサービスがきますので?」
びっくりした…
キスされるかと思った…
なんだ朝食か…?
ホッとする反面、何かを期待していた自分がいた。
「今日のところは我慢します。」と、西園寺さんは言って、右口角を上げる。
その後、部屋に運ばれた朝食を2人で食べたはずだが、何を食べたか一切覚えていない。