双子の御曹司

翌日、西園寺さんは17時にお店に現れた。

「西園寺さん…」

「終わる時間が分からなかったので、お見合いの時に、早番だと17時に上がれると聞いてましたから?」

確かに早番は17時と、話はした。

それは早朝会議などあった時で、通常、私は中番の19時か、遅番の21時45分の事が多い。

今日は佐野さんが休みだったので早番で出勤しているが…

「すいません。バイトの子が来れなくなって、今日は最後まで勤務なんです。せっかくいらして頂いたんですが、お食事は日を改めて? と、言う事にして下さい。」

「大丈夫てすよ? 待ってますから?」

「いえ。 随分お待たせしてしまいますので…」

断っていると、横から麗華ちゃんが姿を現した。

「遥さん、私一人で大丈夫ですよ? 昨日もフルだったじゃないですか? 今日は勤務時間チョキ(ちょっきり)に上がって下さい。」

麗華ちゃんは私達の話を聞いて居たようだ。
だがら私は、何とかお断りする理由にしたかったのだ。
しかし、それは麗華ちゃんには伝わらなかった様だ。
麗華ちゃんは西園寺さんに視線を向け、話しかけていた。

「お見合いのお相手さんですよね? 最近、遥さん元気ないんですよ? 慰めてあげて下さい。 今日はもう、このままどうぞお持ち帰りしちゃって下さい。」

「麗華ちゃん! お持ち帰りって!?」

思わず大きな声を出していた。

「副店長!!」




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