双子の御曹司
席に案内されると、西園寺さんは、私の目を真っ直ぐ見て、話し始めた。
「マリアは、フランに留学をしていた時に、お世話になった方の娘さんなんです。 先週、日本に来たばかりで、恋人のアンディにプレゼントを買うのに、付き合ってほしいと言われて、仕事の合間に… その時、遥さんに見られたんですね?」
と、言い西園寺さんはクスッと笑って続ける。
「誤解をさせてすいません。でも嬉しかったですよ? 遥さんがヤキモチ焼いてくれて?」
ヤキモチ……
西園寺さんに言われて、初めて自分がヤキモチを焼いていたのかと気づくと顔が熱くなった。
たぶん私の顔は、赤くなっているだろう?
そこへマリアさんがワインを持って来てくれた。
「マリア、君が腕を組んだり抱きついたりするから、遥さんに誤解されたじゃないか? 俺が振られたらマリアのせいだからな!?」
西園寺さんは少し怒った様にマリアさんに言う。
「えっーそうなの? 遥かゴメン。 私、竜仁なんか興味ないから! 私が愛してるのはアンディだけよ?」とマリアさんは頬を赤くする。
「それに竜仁は、遥にメロメロよ! 私に遥の事話す時すごく嬉しそうに話すのよ? こんな竜仁、初めて見たわ? フランスにいる時なんか、本気で人を愛せないなんて言ってたのに! ウフフ」
マリアさんの言葉に、西園寺さんは少し照れてるみたい。
「マリアもういいから、それよりアンディとは上手く行ったのか?」
「えー受け取ってくれたわ!」
「そうか良かったな?」
「ありがとう。 竜仁も早く決めちゃいなさい? グズグズしてると、誰かに取られちゃうわよ! こんなに綺麗な遥だもん!」
「だな?」
2人が笑って話してるのを、ただ見てるだけの私にマリアさんは話を続ける。
「私、アンディを追いかけて来たの、プロポーズする為に!」