双子の御曹司
あのおやじぃー! ふざけやがって!
明日、覚えてろよ!?
思わず、私は頭を抱えた。
「誤解されると嫌なので、はっきり言いますけど。 伊月のおじさんとは、そんな関係じゃありません! あの人が言ってるのは私が生まれた時、父が貧血で倒れたので、代わりに一緒に居た伊月のおじさんが、生まれたばかりの私を初めて抱いた男の人って言う意味です。」
「え? じゃ、男女の関係じゃないの?」
「誰が、あんな鬼瓦見たいなクソおやじに!? 私、誰にも抱かれてません!!!」
「じゃ、まだなの?」
「そうです。私、処女です!!!」
「ククク…」
西園寺さんが、喉の奥で笑ってるのが分かった。
「あっ……」
自分で、とんでもない事を言ったと、気が付いて真っ赤になって、私は俯いた。
「伊月さんと、そんな関係じゃないって知ってたよ? 実は伊月さんに、遥ちゃんと付き合うなら、本当の自分を出さないと疲れるぞ? って、言われてさ? 多分伊月さん気が付いてたんだろうな? 本当の俺をだしてないって…? で、伊月さんが、″遥ちゃんを初めて抱いた男の人は、伊月さんか?″ って聞いてみろ?って、そしたら飾らない本当の遥ちゃんが見れるからって? お互い素のままで付き合えってさ!」
「伊月のおじさんが…?」
本当に私の事思ってくれてるんだ…
ありがとう。おじさん……