双子の御曹司
更衣室の扉を開け、大きな声で挨拶をする。
「おはようございまーす。」
「おはよう遥!」
「凪沙おはよっ!」
「すごく機嫌が良いじゃん? いい事あったの?」
「えへへ。 ちょっとね!」
西園寺さんの事が好きだって、自覚した事や、ちゃんと付き合う事になった事、こんな程度で喜んでる事を、凪沙に話すと、また馬鹿にされそうだから言わないでおこう。
「なになに教えなさいよ? あっ!さては王子様と遂にエッチしちゃった! とか?」
なっなんて事を……
凪沙たら、他にも着替えている人が居るんだから、口を謹んでよ!
「もう。 朝から馬鹿な事言ってないで、ほら! 早く着替えないと、会議遅れるよ?」
今日は夏休みの企画を報告する事になっている。
各売り場から、企画の説明をし、お互いに確認する事になっているのだ。
「もったいぶらないで、教えなさいよ!」
私は、西園寺さんとの昨夜の事を思い出して、つい頬が緩んでしまう。
「遥、何ニヤツイてるのよ?」
「別にニヤツイたりしてないよ。」
着替えを終え、会議が行われる食堂へ向う間も、凪沙は聞きたくて、しょうがないみたいだった。