双子の御曹司

「あの…西園寺さん? 私、これ1着だけにしときます。」

最後に試着をして、手に持っている小花柄のワンピースで、胸にレースの切り返しの付いた物にすると私は言った。

値段は分からないけど、試着した中で、一番安そうに思ったからだ。
あくまで、感だが?

「え? 他のは気に入らない?」

気に入らないわけない。
形も手触りも良く、もし、私が、お金を気にしなくて良い様な、セレブだったら、試着した全てを、″ 全て頂くわ! ″と、言っていただろう。
ただのOLでは、あり得ないが?

「いえ…素敵なんですけど…」

西園寺さん…察して下さいよ…。
全部買ったら、ご飯食べれなくなっちゃう…

「なら決まり! 全部、遥に似合ってたから、俺がプレゼントしたい。 良いよね?」

「プップレゼントって、ダメです! こんなに高価なもの!!」

私は首を左右にブルブルと振って断る。

すると、悪魔が降臨した様で、西園寺さんは私の耳元で囁いた。

「プレゼントさせてくれないなら、ここで昨夜のようなキスさせてくれる?」と、言い、私の両肩に手を置く。

私の負けだ…

「ダメ! …お洋服… お願いします…。」

結局買ってもらう事になってしまった。
ショップを出ると「次は下着だね?」と、西園寺さんは微笑んで歩く。

「あの下着は大丈夫です…」

この流れでいくと、ヤな予感しかしないのだ。

「遥、ノーパン派?」

っなわけないでしょ!!

「違います!!」

頬を膨らませ、怒ってみても、西園寺さんは構わず私の手を引っ張って、ランジェリーショップに入る。





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