計画的俺様上司の機密事項
パンケーキを食べ終え、のんびりソファに腰掛けていた。

すると、シンちゃんが隣に座り、体を近づいてくる。

もしかして、と期待が高まってきた。

わたしの髪の毛をやさしく触りながらわたしの顔をみつめたら、急にシンちゃんがニヤニヤと意味深な笑いを浮かべる。


「どうした。顔、にやけてるけど」


「え、そ、そんなことないけど」


「まーた夏穂のお得意の妄想か何かか」


「ち、違うって」


当たってるだなんて口が裂けても言えないし。

こればっかりは。


「風呂沸いたから、先入れ」


「う、うん」


胸の鼓動を抑えつつ、お風呂へと向かう。

今夜もしかして、シンちゃんと一緒に寝るのか。

興味はあるけれど、やっぱり恥ずかしいし、不安だし、怖い。

シンちゃんのことだから、きっと悪いようにはしないと思うけれど、これ以上想像がつかない。

ぐるぐると想像のできないことを考えてたらまたのぼせそうになり、急いでお風呂からあがる。

バスタオルを巻き、お目当てのものをランドリーラックの引き出しを開けてみたら見当たらない。

どこへ行っちゃったんだろう。部屋においたっけ。

中に入っていた下着を身につけ、パジャマを着ると、シンちゃんが廊下で待っていた。


「さて、オレも風呂入るかな。今夜は冷えるみたいだからあったかくしておかないとな」


「う、うん」


「なーに期待しちゃってるの。ん? ん?」


といやらしくシンちゃんは迫ってきている。


「期待なんかしてないしっ」


わたしの顔を覗き込んでまたニヤニヤとシンちゃんが企んだ笑いをみせた。
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