計画的俺様上司の機密事項
「というわけで、これは明日にとっとけ」


といって、茶色の紙袋を渡された。

どうしてシンちゃんが茶色の紙袋を持っていなきゃいけないの。


「シンちゃん! ちょっと中身、みたの?」


「見えないところに置いてもな、気づくもんだ」


この間、寄り道してかわいい下着が売っているお店へ足を運んだ。

店員さんに勧められるがまま買ってしまい、内緒で手洗いして干しておいたのに。


「いい香りを忍ばせておくと彼氏が喜ぶって《*arikaho*》さんが勧めてたぞ」


「それシンちゃんの中の人でしょ。全然説得力がないって」


中をのぞくと下着と一緒に小さな布袋にサテンのリボンをきゅっとしめたサシェが入っていた。

サシェからはラベンダーの香りがする。

ここまで心遣いしてくれるなんて、嬉しいやら恥ずかしいやら、複雑な気持ちだ。

シンちゃんはさっとわたしの首にかけていたタオルと手にとり、濡れた髪の毛を拭いてくれた。


「明日は金曜日だ。明日までとっとけ」


「えっ」


「こっちの話だよ。クリスマス本番は明日ってこと。湯冷めするから早く布団に入れ」


むふふ、といやらしく笑いながらシンちゃんはお風呂へと入っていってしまった。

言われたとおり、茶色の紙袋を持ち、自分の部屋へといく。

髪の毛を整えながら、ちらりと机の上にある茶色の紙袋をみると胸がきゅんと高鳴る。

足元が冷えてきたのでベッドに入り、目をつぶろうとしてもやっぱりドキドキして眠れなかった。

それよりもシンちゃんがわたしのこと、ずっと見守っていてくれていたなんて。

うれしすぎてどうにかなりそうになる。

どうか明日、うまくいきますようにと願いながら、眠りについた。
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