計画的俺様上司の機密事項
「おはようございます」


すでにシンちゃんは自分の席で仕事をしていて、野上くんも仕事の準備をしていた。


「有沢さん、おはよう。今日は、いつもより遅刻ギリギリだね」


野上くんが声をかけてくれた。


「まあ、いろいろとあってね」


シンちゃんに聞こえるように大きな声でいった。


「それぐらい元気があれば、今日も頑張れるな、有沢」


書類に目を通しながら、シンちゃんはわたしに聞こえるように大きな声で話している。


「ええ、よろしくお願いします。結城部長」


「ちょっと、有沢さん。部長にその態度はちょっと」


わざと嫌味ったらしく言い放ってやったら、野上くんが小声でわたしに忠告してきた。


「あは、いやあね、わたしったら」


と、真鍋先輩のように上品に笑ってみたけれど、微妙すぎて場がしらけた。

気を取り直して自分のパソコンの電源をつけて、メールをチェックした。

《*arihaho*》さんからたくさんの記事が送られている。

人気なブロガーなのに締め切り前にしっかりと納品してくれて助かった。

お礼のメールを送り、わたしも記事作りに励んでいた。

ちらりとシンちゃんがわたしをみていたような気がしたけれど、気付かない振りをして仕事に集中していった。
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