【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
項垂れていると、床に落とされた私の影を大きな影が覆った。
顔を上げると、綾世がまた私の前にしゃがみ込んでいて。
「いびき、歯軋り、寝言、どれかひとつでもやったらすぐ顔面殴るから」
「え…?」
それって……
「今日だけ特別だからね」
ふっと微笑みを唇に乗せる綾世。
「……ありがとうっ!」
皮肉を言いつつも、最後はやっぱり優しいところが綾世らしくて。
私は目に涙を浮かべたまま、心からの笑顔を綾世に向けた。