【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
改めて綾世の顔を見ていると、綺麗な造形に思わずドキドキしちゃう。
目を瞑ってると意外にも睫毛が長くて、肌も陶器みたいにスベスベ、おまけに鼻筋もスッと通ってる。
こんなにイケメンとか、本当ずるいよなぁ。
天は二物を与えず、なんて嘘っぱちだよね!
私は綾世を起こさないように静かに手を伸ばし、綾世の顔に掛かっていた髪をそっとよけた。
と、その時。
左手の人差し指と中指が、くっと何かに掴まれた。
「ん…?」
そちらに顔を向けると、私の指を綾世が眠ったまま、握りしめていて。
ドキン…
と、心臓が揺れた。
ずっと、握りしめてくれてたの…?