【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?


『…は?』




私の言葉に、不機嫌だった三崎くんの表情が、段々とイライラへと変化していくのが、手に取るように分かる。




『そんなの知らねーよ。

一目惚れとかそういうの、うざったいんだよね』




『う、うざ……っ?』




衝撃発言に思わず絶句する私に、


『あと、』


そう言って、三崎くんは見たこともないような悪魔な微笑みを浮かべた。




そして、綺麗な唇で涼しげな声を奏でる。




『くだらない説教で、俺の時間を浪費しないでくれる?

俺、あんたみたいな暑っ苦しいやつ、大っ嫌いなんだよね』




『な、ななっ……?』




目を見開き唖然とする私を気にすることもなく、三崎くんはこちらに背を向け歩いていく。




それまではただ呆然と彼の後ろ姿を見つめていたけど、その姿が遠ざかっていくにつれ、怒りがまたふつふつと沸いてきた。




な、な、なんなの、あいつっ!!!




どこが王子よ!?




あんなの、庶民をいたぶりつける悪魔じゃないっ!




─── かく言う訳で、その日から私の中で三崎綾世は悪魔へと変貌を遂げた。


< 13 / 378 >

この作品をシェア

pagetop