【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
はぁ…と改めて現実に項垂れていると。
「何やってんの、早く帰るよ」
突然頭上から声が降ってきて顔を上げると、綾世が首を下に曲げて、私の顔を覗き込むようにこっちを見ていた。
至近距離にある顔にもびっくりだけど、綾世の言葉の方がびっくりで。
「え? 帰るって…一緒に!?」
うそ…!
一緒に帰ってもいいの!?
「一緒も何も隣だし。
まぁ別なら別で、全然いーけど」
と、冗談なんかじゃなく、本気で帰っちゃいそうな綾世。
「いえっ! 帰ります!
一緒に帰りますっ!!」
ガタンッと激しく音を立てて、椅子から勢い良く立ち上がる。
だって、一緒に帰れるなんて嬉しすぎるよっ!!
こういうの、〝棚から焼きもち〟って言うんだっけ!?
…ありり?
よく分かんないけど、そんなのどうでもいいやっ!