【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
あそこ? それともあそこ?
と、目に入るビルを片っ端から指差して訊いていた時だった。
宙に浮いた私の手が後ろから掴まれたのは。
気づけばさっきまで隣にいた綾世は、私の後ろに移動していて、私は手すりと綾世に挟まれるような体勢になっていて。
そして、くいっと掴まれた腕を動かされる。
「ほら、あれだよあれ」
だけど、私はもうマンションどころじゃなくて。
私の耳にかかる甘い吐息と、近すぎる綾世の体温にもう心臓は爆発寸前。
このままじゃ、私死ぬ!
絶対に死んじゃう!
「あっ、綾世っ!」