【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
ガクンと90度俯いて、トボトボと教室へ戻る途中。
不意に校庭のベンチにりのっちの姿を見つけた私は、全速力で駆け寄った。
「りのっち〜っ!!」
私の声に顔を上げたりのっちは、ぎょっとしたように顔をしかめた。
「うわ、双葉!? なんで泣いてんの?
ってか鼻水つけないでよ」
隣に座り抱きつこうとするも、あっさり手で押し返される私。
「うえーん!
りのっぢ、びどい¨〜」
「っていうか何があったの、泣いてるなんて」
その言葉に、ひとり寂しく涙を拭っていた私ははっとして顔を上げた。
「うぐっ、話聞いてくれるの…?」
涙でいっぱいの瞳で見上げると、りのっちは腕を組みながら呆れた表情を浮かべた。
「そんな顔面涙と鼻水でビショビショな奴を放っておくほど、あたしは鬼じゃないっつーの」
りのっち、やっぱり優しいよ〜…。
じゃあ話しちゃおうかな、綾世のこと…。