【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
「ある、出来事……?」
するとりのっちは真剣な表情を浮かべたまま、真っ直ぐ前を向いた。
「そう。
そのせいで綾世の恋愛に対する嫌悪感が増しちゃったんだよね」
「そうなんだ……」
さっきの綾世の言葉が頭の中でこだまする。
『俺、誰とも付き合う気ないから』
『恋なんて戯言だよ、どうせ最後には別れるんだから。
そんなの時間の無駄』
綾世の過去に何があったのかは分からない。
でもきっと、恋愛に対して冷めてるのも、それが関係してるんだ。
綾世は苦しんでるのかな。
恋なんかしたくないって、その思いはどこまで続いていくものなのかな。
綾世は……寂しくないのかな。