【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
「ほら、行くよ」
しょんぼり俯く私に、綾世がそう声をかけた。
顔を上げると、目の前に手を差し出されていて。
「え?」
「またはぐれられたら迷惑だから」
いいの…?
手、握っても。
うわ…緊張しちゃうよ!
おずおずと手を伸ばし、そっと綾世の手を握ると、ぎゅっと握りしめられる。
綾世の手は、やっぱり大きくて。
綾世が私の手を引き、私はその背中を追うように歩き出す。
ど、どうしよう…。
やっぱり好きだ…。
私は、綾世が好き。
この想いが、この鼓動が、
初めて繋がった手から、どうか綾世に伝わりませんように…。