【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
それから暗くなるまで水族館をふたりで見て回り、私達はマンションへと歩いていた。
綾世が掛けてくれた上着が温かい。
「あ〜あ、もう着いちゃうよ。
楽しいことが終わろうとする時って、なんでこんなに寂しいんだろうね!」
「双葉は幼稚園児かよ」
「むーっ、幼稚園児じゃなくたってそう思うもん!」
「はいはい」
とその時。
「あ〜〜!」
すっかり忘れていた、大切なことを思い出した。
一番大切なこと!
「何、急に大声出して」
綾世の迷惑そうな声を浴びながら、私は立ち止まりバックを探る。
そして、勢いよく水色の袋を取り出す。
「綾世、ハッピーバースデー!」
「は?」
突然のことに、ぽかんとした表情の綾世。