【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
「はぁーあ」
マンションに帰ってからも、綾世のことが頭の中をぐるぐる。
せっかくデートもして仲良くなれた気がしてたのになぁ。
王子、だもんね。
あんっな美人が告白してるとか、私なんか本気で犬にしか思えてないんじゃないかな。
でも、せめて人間になりたいっ!
スクールバッグをソファに置き、はぁと溜め息を吐いた時。
静寂を破るようにして、ベランダの方からニャーッと猫の鳴き声が聞こえてきた。
「んんん?」
慌てて駆け寄りカーテンを開けると、そこには白い猫 ───
「ポチ!」
ポチが尻尾をゆっくりと揺らしながら、こっちを見上げていて。