【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
ガラガラと窓を開けて、ポチに顔を近づけるようにそこにしゃがみ込む。
「どうしたのっ、ポチ!
こっちに来ちゃって大丈夫なの?」
そっと撫でてあげると、嬉しそうにスリスリと擦り寄ってくるポチ。
かわいいなぁ。
その姿を見ていると、なんだか心が穏やかになっていくみたいで。
「ねぇ、ポチ。
あなたのご主人様、モテモテで困っちゃうよ」
まるで私の言葉が分かるみたいに、ポチが首を傾げる。
「隣に住んでるのに、学校に行くと遠いんだ…」
膝を抱え、はぁ、と溜め息をつく。
「せめて、もっとブサイクだったらモテないのになぁ。
目は狐みたいにこーんなに細くって、口なんかナマズみたいだったらいいのにね」
ブサイク版綾世を再現するために、目尻を左右に引っ張り、思いっきりしかめっ面をする。
すると、ニャーッと目を細めて鳴くポチ。
あっ! 返事した!
やっぱりポチも同意だよね!