【完】お隣さんは最凶クール悪魔!?
たとえ振られたって、めげてちゃダメだ。
会いに来てくれないなら、私が会いに行けばいいんだ…!
パンパンッと気合を入れるように両頬を叩き、綾世を捜しに走り出した時。
突然曲がり角を曲がって走ってきた人に、ドンッとぶつかった。
「わっ」
「双葉?」
その声は、今一番会いたかった人の声で。
顔なんて上げなくても分かるんだよ…。
「綾世っ…」
私が顔を上げるなり、綾世は私の肩を掴んだ。
「双葉、無事?
あいつに、東城に何かされた?」
「へっ? 東城くんっ?
何も……むしろ、背中押してくれた!」
すると、綾世は「はーっ」と盛大に溜息をついた。
「あいつ謀りやがったな…。
双葉も、俺を本気にさせんじゃねーよ…」
ドキンと心臓が揺れた。
本気に、なってくれたの?